昨年から今年にかけて、日本語教育では本当にいろいろな動きがありました。

4月には新たな在留資格「特定技能」がスタートし、単純労働にビザは出さないというこれまでの国の方針が大きく変わりました。5月には、国内の大学・大学院を卒業・修了した留学生の就職先を拡大する「特定活動46号」が交付決定されました。6月には「日本語教育推進法」が公布、施行されました。日本語教育の基本理念と国、地方公共団体、外国人を雇用する事業主等の責務を初めて明らかにしたものでした。この法律に沿って、文字通り日本語教育の推進を図る目的で、日本語教育推進会議、日本語教育推進関係者会議が設置されました。
まだまだ動き始めたばかりで、特定技能の数も当初の想定を下回ってはいますが、今後に繋がるいろいろな制度設計がなされたという意味で、この令和元年は10年後に振り返ったら外国人雇用元年ともいえる年になったのではないかと思われます。

国内の少子高齢化と労働人口減少に伴って、外国人受入と日本語教育を取り巻く動きは来年さらに加速していくことが予想されますが、こうした中、一般社団法人全国日本語教師養成協議会(全養協)では第18回の公開講座を「日本語教育推進法と“公認日本語教師”~国内外でさらに広がる日本語教育の可能性~」と題して、今知りたいこと満載で開催するとのことです。
公認日本語教師の議論の状況や、日本語教育推進関係者会議での議論の方向性、海外の日本語教育の機関調査結果と、特定技能の新設に伴ってスタートした日本語基礎テストなどなど、日本語教育に関連する最近の動きが3時間でわかる濃密な内容で、いろんなお話が聞けることでしょう。

令和元年も残すところ10日ほどとなりました。
来年も、日本語学習者の皆さま・日本語教育に携わる皆さまにとって、より良い年になりますよう願うと共に、私どももその一助になりますよう努めてまいります。

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。